man/info/--help を使い分ける - 公式情報の引き方
この記事でできるようになること
- man / info / --help を場面に応じて使い分けられる
- 知らないコマンドの使い方を自分で調べられる
前提知識(先に読むと理解しやすい記事)
この記事で解決できること
--help・man・info の3つを覚えると、たいていのことは自力で解決できるよ。この記事では次の3つを学べる。
--help・man・infoの 違いと使い分け が分かるmanページの キー操作と検索方法 が身につく- コマンド名が思い出せないときの 探し方 が分かる
まずこれだけ覚えよう
- すぐに確認したい →
コマンド --help - 詳しく読みたい →
man コマンド - コマンド名を探したい →
man -k キーワード
1. --help: 一番手軽な確認方法
結論:
コマンド --helpはほぼ全コマンドで使え、オプション一覧と書式をすぐ確認できる最も手軽な方法。
--help をつけるだけでいいよ。「オプション」は、コマンドの後ろにつけて動きを変える指定のことなんだ。--help はほぼ全てのコマンドで使えて、すぐ結果が出るよ。使い方
ls --help
Usage: ls [OPTION]... [FILE]... List information about the FILEs (the current directory by default). -a, --all do not ignore entries starting with . -A, --almost-all do not list implied . and .. -l use a long listing format ...(以下省略)
出力が画面に収まらないときは less と組み合わせよう。less は、長い文章を 1 画面ずつ表示してくれる「ページャー」というプログラムだ。
ls --help | less
真ん中の | は「パイプ」と呼ぶ記号で、左のコマンドの出力を右のコマンドに渡す(日本語キーボードでは Shift を押しながら「¥」のキーで入力する)。表示された画面はスペースキーで次のページへ進み、q キーで終了できる。
-h で同じ結果が出るコマンドもある(例: curl -h)。どちらか試してみよう。
--help の特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 速さ | すぐ表示 |
| 情報量 | 簡潔(オプション一覧) |
| 対応コマンド | ほぼ全て |
| 主な用途 | オプション名・書式の確認 |
2. man: 公式マニュアルを読む
結論:
man コマンドは完全な公式マニュアルを表示し、lessと同じキー操作と/検索で読み進められる。
--help より詳しい情報が知りたいときは?man コマンドだよ。Manual の略で、各コマンドの完全な仕様書が読める。使い方
man ls
less と同じキー操作でページを読み進められる。
キー操作一覧
| キー | 動作 |
|---|---|
スペース / f |
次のページ |
b |
前のページ |
q |
終了 |
/キーワード |
キーワードで検索(例: /recursive) |
n |
次の検索結果 |
N |
前の検索結果 |
g |
先頭へ移動 |
G |
末尾へ移動 |
/ による検索が一番便利。man chmod を開いて /octal と打つと、数値指定の説明にジャンプできる。
manページの構成
manページは決まったセクション構成になっている。
| セクション | 内容 |
|---|---|
| NAME | コマンド名と一行説明 |
| SYNOPSIS | 書式(使い方の雛形) |
| DESCRIPTION | 詳細説明 |
| OPTIONS | 全オプションの説明 |
| EXAMPLES | 使用例(記載があるとき) |
| SEE ALSO | 関連コマンド |
[OPTION]... とか [FILE]... って記号の意味がわからなくて...[] は「省略してもOK」という意味で、... は「複数指定できる」という意味だよ。ls [OPTION]... [FILE]... は「オプションもファイルも 0 個以上指定できる」ということ。セクション番号を指定する
同じ名前でコマンドと設定ファイルの両方にマニュアルがある場合、番号で区別できる。
man 1 passwd # passwd コマンドのマニュアル man 5 passwd # /etc/passwd ファイルのマニュアル
よく使うセクション番号:
| 番号 | 内容 |
|---|---|
| 1 | ユーザーコマンド(通常使うもの) |
| 5 | 設定ファイルの書式 |
| 8 | システム管理コマンド |
3. man -k: コマンド名を探す
結論:
man -k キーワード(=apropos)でやりたいことに関連するコマンドを一覧から探せる。
man -k キーワード で探せるよ。やりたいことに関連する英単語で検索すると、候補が一覧で出てくる。man -k compress
bzip2 (1) - a block-sorting file compressor, v1.0.8 compress (1) - compress and expand data gzip (1) - compress or expand files xz (1) - Compress or decompress .xz and .lzma files zip (1) - package and compress (archive) files
man -k は apropos コマンドと同じ動作。どちらを使っても同じ結果が出る。
初回実行時に「nothing appropriate」と出たら、まず sudo mandb でデータベースを更新しよう。
4. info: GNU ツールの詳細情報
結論:
info コマンドは GNU ツール(grep / awk / find など)の詳細な解説書で、manより詳しいことがある。
man があれば info は使わなくていい?info の方が詳しい場合があるんだ。man は概要、info は詳細な解説書というイメージかな。使い方
info grep
キー操作
| キー | 動作 |
|---|---|
| スペース | 次のページ |
b |
前のページ |
q |
終了 |
n |
次のノード(章)へ |
p |
前のノード(章)へ |
u |
上位ノード(目次)へ |
| Enter | リンクをたどる |
info がインストールされていない環境では man が代わりに表示されることがある。Ubuntu では sudo apt install info でインストールできる。
リナ、man から抜け出せない(失敗例)
man chmod を開いたんですけど、ずっと画面から戻れません…Ctrl+C を連打しちゃいました!man chmod
CHMOD(1) User Commands CHMOD(1)
NAME
chmod - change file mode bits
...(以下省略)
(END)
(END) って出てるのに、何も反応しないんです…man は less と同じキー操作で終了するんだ。Ctrl+C じゃなくて q キーを押してみて。q で戻れました! そうか、man は独自の画面に入るから、普通の Ctrl+C じゃ抜けられないんですね。man・info・less はどれも同じ「ページャー」(画面に収まらない文章を1画面ずつ表示する仕組み)を使っていて、q が共通の終了キーなんだ。5. 練習してみよう
結論:
cp --help・man chmodの/octal検索・man -k ownerを実際に試して使い方を定着させる。
問題1: cp のオプションを確認しよう
やること: cp コマンドのオプション一覧を手軽に確認してみよう。
ヒント1(方向づけ)を見る
一番手軽にオプションを確認する方法を思い出してみよう。コマンド名の後ろに何かをつけるだけだったね。
ヒント2(コマンド名)を見る
cp の後ろに --help をつけて実行してみよう。
答えを見る
cp --help
-i(上書き前に確認)や -r(ディレクトリファイルをまとめて整理する入れ物。Windows や macOS の「フォルダ」と同じもの。ごとコピー)などのオプション一覧が表示される。
問題2: chmod のマニュアルで octal を検索しよう
やること: chmod のマニュアルを開いて、octal で検索してみよう。
ヒント1(方向づけ)を見る
マニュアルの中で特定の単語を探したいときに使うキー操作を思い出してみよう。man のキー操作一覧にあったね。
ヒント2(コマンド名)を見る
man chmod でマニュアルを開いてから、/octal と入力するよ。
答えを見る
man chmod
man chmodでマニュアルを開く/octalと入力して Enter- 数値(8進数)による権限指定の説明にジャンプできる
qで終了
問題3: 所有者を変更するコマンドを探そう
やること: ファイルの所有者を変更するコマンドの名前を、コマンドラインだけで調べてみよう。
ヒント1(方向づけ)を見る
コマンド名がわからないときに使う調べ方を思い出してみよう。キーワードで検索できたね。
ヒント2(コマンド名)を見る
man -k に「owner」や「ownership」というキーワードをつけて実行するよ。
答えを見る
man -k owner
chown などが見つかる。
6. 使い分けのまとめ
--help と man だけ覚えておけば十分だよ。man -k と info は必要になったときに思い出してね。| やりたいこと | 使うもの |
|---|---|
| オプション名をすぐに確認 | コマンド --help |
| コマンドの詳細な仕様を読む | man コマンド |
| コマンド名が思い出せない | man -k キーワード |
| GNU ツール(grep / awk)の詳細 | info コマンド |
よくある場面と対応
ls -laのオプションを確認 →ls --helpchmodの数値の意味を調べる →man chmod- ファイル圧縮コマンドを探す →
man -k compress awkの詳しい使い方 →info awk
今日の3行まとめ
- すぐに確認したいときは
コマンド --help - じっくり読みたいときは
man コマンド(qで終了) - コマンド名を思い出せないときは
man -k キーワードで探す